水のエリア(白州、武川)
雨乞岳(あまごいだけ):山梨百名山
雨乞い伝説の残る山
雨乞岳は、南アルプスの北端、甲斐駒ヶ岳の北に位置する標高2037mの山です。
昔、水不足に苦しんだ人々が登頂して雨乞いをしたことが名前の由来と言われていますが、釜無川の源流にあることから、古くは釜無山と呼ばれていました。
近年整備が進んだ「ヴィレッヂ白州の登山口ルート」と、より上級者向きの、山の砂浜・水晶ナギが楽しめる「石尊神社からのルート」の2種類があります。
山頂からは、富士山をはじめ、甲斐駒ヶ岳や鋸岳、鳳凰山の眺めを近くで体感できます。
[往路]
ヴィレッヂ白州――(1時間40分)――水揚――(1時間20分)――雨乞岳山頂
ヴィレッヂ白州は、小淵沢駅から車で20分、国道20号から約7km、平久保池と呼ばれる池の近くにあるキャンプやボート、釣り、カヌー遊びなどアウトドアアクティビティが楽しる施設です。駐車場に10台ほど駐車が可能です。
【写真:ヴィレッヂ白州】
登山道の入口はわかりやすく看板が立っています。また、登山道の分岐には指導標が立っていますので、間違えることはないでしょう。しばらくは整備された遊歩道と階段という繰り返しが続きます。これが大体1時間くらい。遊歩道の終点を過ぎるとその先に水場があります。涸れていることもありますのでご注意を。ここまでは1時間40分。周囲に熊笹が出始めると登山道という感じになってきます。今回のルート、急登は2箇所ありますが鎖場はありません。水場から笹ノ平という場所を経て1時間20分ほどで山頂に到着します。山頂は笹原が広がっています。
【写真:登山道入口】
登山中は見晴らしが良い場所はありませんが、頂上に着けば眺望は良いです。ぐっと我慢してきた分、満足感もひとしおです。特筆すべきは甲斐駒ヶ岳の眺望。他にも鋸岳、富士山、八ヶ岳、秩父山塊まで見ることができます。山頂の南東にある水晶ナギは日向山の雁ヶ原(がんがはら / かりがはら)と同じように花崗岩が露出したザレ場です。傾斜もありますし、滑ると危険ですので注意してください。この周辺ではかつて水晶の採掘がおこなわれていたそうです。
【写真:日向山雁ヶ原からみた雨乞岳(奥の山)
手前の白いザレ場が水晶ナギ】
きちんと整備され、分岐ごとには指導標もあるので安心ですが、遊歩道を過ぎると本格登山です。準備は万全にしておきたいものです。5月下旬になるとツツジも綺麗ですので、是非訪れてみてください。
【写真:上空から望む雨乞岳】