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ほくとの山歩き

深田久弥を偲びながら、茅ヶ岳

 

 茅ヶ岳(かやがたけ)は奥秩父山塊の南西部に位置する標高1704mの山です。隣接するのが金ヶ岳(かながたけ)で標高は1764m。麓から見ると、連なっている茅ヶ岳と金ヶ岳が八ヶ岳に似て見えることから「にせ八つ」という異名があります。

 

 

 この茅ヶ岳は、日本百名山を選定した作家、登山家である深田久弥の終焉の地ということで知られています。1971年、茅ヶ岳への登山中、茅ヶ岳山頂直下で脳卒中のため68歳で急逝しました。それまでは訪れる人も少なかったのですが、それ以降、深田ファンをはじめ、多くの登山者でにぎわう山へと変わりました。1981年に茅ヶ岳の登山口に深田久弥記念公園を開設しています。また深田祭として氏の遺徳を偲ぶ碑前祭や記念登山などを毎年開催しています。

 

 

 ここでは深田久弥記念公園のある茅ヶ岳の登山口からのルートを紹介します。登山道入口から登っていくと、最初は道幅が広いですが徐々に狭くなっていきます。途中、分岐を女岩の方へ、駐車場から1時間20分ほどで、女岩のあたりに到着です。女岩は大岩から水が滴る茅ヶ岳登山唯一の水場でもありますが、現在女岩は落石の危険性があるため立入禁止です。ここからは岩や木の根が張る急登になります。前方が明るくなるとそこは稜線です。稜線に出てしばらくすると、深田久弥終焉の地の碑があります。ここからも大きな岩の多い急な道が続きます。女岩から約1時間で平らな場所に出ればそこが山頂です。頂上は狭いですが、南アルプス、隣接する金ヶ岳の向こうには八ヶ岳、そして奥秩父の山々が広がるのを目にすることができます。もちろん富士山も。そして甲府盆地の眺望も抜群です。

 
 ここから1時間進むと隣の金ヶ岳へ到着しますが、アップとダウンの場所があったりヤセ尾根の場所があるので注意が必要です。

 

 

 この登山は来た道を戻っても良し、茅ヶ岳から金ヶ岳へ縦走して明野ふれあいの里方面に下っても良し、そこから千本桜方面に降りて茅ヶ岳を周回して駐車場に戻っても良しと様々な選択肢があります。鎖場などはなく、里山の延長線上にあるような登山ルートですが、急登も長く初級者が鍛えるのにもおすすめです。

 

地図

 

[往路]

登山道入り口――(1時間20分)――女岩――(1時間)――茅ヶ岳山頂――(1時間)――金ヶ岳山頂

 


 

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