《映画のプレミア、ロサンゼルス》 1955年
Movie Premiere, Los Angeles, 1955 ⒸRobert Frank
ロバート・フランク展 - もう一度、写真の話をしないか。
2019年6月29日(土)~9月23日(月・祝)まで「ロバート・フランク展 - もう一度、写真の話をしないか。」が清里フォトアートミュージアムにて開催。
ロバート・フランク(1924、スイス)は、世界で最も重要な写真家の一人として、同世代および後進の写真家に、多大な影響を与えてきました。代表作の写真集『アメリカ人』(1958)を発表後、映画制作へと身を転じ、写真展の開催が比較的少ないことから“伝説の写真家”と称されています。
本展では、清里フォトアートミュージアムの収蔵作品より、これまで写真集に掲載しなかった未発表の作品を含め、全106点を展示いたします。
フランク作品の歴史的、また今日的意義を問う、またとない機会となるでしょう。
《リバー・ルージュの自動車工場 - デトロイト》 1955年
River Rouge Plant, Detroit, 1955 ⒸRobert Frank
ロバート・フランク Robert Frank
1924年、スイス・チューリッヒ生まれ。1947年、23歳でスイスからアメリカ・ニューヨークへ移住し、写真家としてのキャリアをスタート。生地スイスからニューヨークへ渡り、南米やヨーロッパへの撮影旅行を重ねた後、自分の写真集を世に出す決意とともに再びアメリカへ戻る。そして1958年に写真集『アメリカ人』を発表。自信は、発表直後に映画制作へと身を転じる。1958年以降は、写真を離れて映画に集中し、これまでに20本を制作。現在94歳。近年も新しい写真集が多数発刊されている。
写真集 『アメリカ人』
『アメリカ人』は、スイスから移住したばかりの若者がアメリカに強く感じた疎外感、不安、そして孤独。写真に表現されたざらざらとした質感と憂鬱な空気は、戦後アメリカ社会の様相を鋭くあぶりだした写真として世界に衝撃を与えた。1950年代のアメリカは、戦後の繁栄と自信にあふれ、一方で黒人差別に反対する公民運動が勃発。人種問題や戦後の世代・文化が錯綜する、大きな変貌の渦中にありました。アメリカの社会的弱者、恥部的な実態を露わにし、しかも写真のシャープさや美しい階調を求めない写真にようる『アメリカ人』は、米国内で、まさに“炎上”の様相を呈し、酷評された。
しかし、即興詩をつぶやくように直観的なイメージ郡と、それらを写真集のなかで構成する手法は、全く新たな表現世界を提示していました。ドキュメンタリーでも、メッセージでも、決定的な瞬間でもなく、写真家自身が「何かを感じたら撮る」。あくまでも主観的な写真は、それまでの写真のスタイル、枠組みに捉われない自由さに溢れていた。さらに、大胆さだけでなく、細部までの繊細さや緊張感を併せ持つフランクの写真は、同世代の若者やアーティストを中心に、驚きと共感を得るまでに時間はかかりませんでした。やがて『アメリカ人』は、広く世界に受け入れられ、現在では最も版を重ねた写真集となりました。フランクによる主観的な表現の登場は、現代写真につながる劇的な変化をもたらした。
《テネシー州チャタヌーガ》 1955年
Chattanooga, Tennessee, 1955 ⒸRobert Frank from The Americans
《聖ジェナーロ祭、ニューヨーク》 1948年
San Gennaro, NYC, 1948 ⒸRobert Frank
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展覧会情報
会期
2019年6月29日(土)~9月23日(月・祝)
休館日
毎週火曜日、7月・8月は無休
開館時間
10:00 ~ 18:00(入館は17:30まで)
入館料
【一般】 800円(600円) / 【大学生】 600円(400円) / 【中・高生】 400円(200円) / 【小学生以下】 無料
※友の会・会員無料 ( )内は20名様以上の団体料金 家族割引 1,200円(2名~6名様まで)
アクセス
清里フォトアートミュージアム 〒407-0301 山梨県北杜市高根町清里3545-1222
【お車】 中央自動車道 須玉I.C. または 長坂I.C. より約20分
【電車】 JR中央本線 小淵沢駅にて小海線乗り換え JR小海線 清里駅下車、車で約10分
お問い合わせ先
清里フォトアートミュージアム
tel:0551-48-5599
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